Hiyoshiya Contemporary コンセプト Tradition is Continuing Innovation 〜伝統は革新の連続〜

 Hiyoshiya Contemporary は京和傘の老舗として五代150年以上に渡り和傘を作り続けてきた日吉屋がお届けする新しいカタチの「WAGASA」です。
 伝統技法とデザインの力が融合したDesign Product、それがHiyoshiya Contemporary collectionです。


開発への思い

 和傘の中では最もポピュラーで、数多く普及してきた傘に番傘(ばんがさ)という傘があります。時には和傘全体を指して番傘と呼ぶように、一般名称の用に使われる事もあります。
 番傘の「番(ばん)」は、お番茶やおばんざい(京都弁で一般の家庭料理)と同じ「番」で、その意味は「いつもの・普段使いの」という事のようです。
 つまり番傘は「いつもの・普段使いの」傘という意味だったのです。
しかし、現在の番傘は普段使いの傘というより、「伝統工芸品」と捉えられる事の方が多く、何やら美術品か骨董品の用に思われがちです。
 確かに美しい商品ではありますが、博物館に飾る様な敷居の高い物で、一般人には無縁の物と思われるのは、作り手として少し悲しくもあります・・・


意外な歴史

 一方で和傘のルーツは、ほぼ千年程前に仏教や漢字と同じく中国から伝来したと言われているのをご存知でしょうか?
 意外なようですが、初期の和傘は「雨具」ではありませんでした。神聖な存在を護る「魔除け」又は、僧侶や貴族等の身分の高い人々の頭上に掲げて高貴な存在である事を示す「象徴・シンボル」として使われていたのです。
 又、今の傘のように開閉する事ができず、「開きっぱなし」の天蓋状の物だったそうです。
 これでは持ち運びに不便ですね。しかしこの時代はお供の者が主人に差し掛ける物であり、自分で持つことはなかったようですので、本人は困らなかったでしょうが・・・

 傘が開閉できるようになったのは、諸説ありますが安土桃山時代に「轆轤(ロクろ)」と呼ばれる仕組みがもたらされて以降の事です。
 それ以外にも多くの名も無き和傘職人達が日々努力し、より美しく、より便利な傘を作り出そうと勤めて来た結果、現在の和傘が徐々に出来上がってきたのではないでしょうか。


伝統の意味とは?

 上記のように、和傘は千年以上の歴史を持ちながら、その発生から現在まで全くカタチが変わることなく続いてきたのではなく、実際はその時代に合わせて形状も、用途も多様に変化して発展してきました。
江戸時代には現在の製作方法が完成し、分業制の発達や太平の世の中で、町民に装いや芸能を楽しむ余裕も生まれ、「お洒落な」「格好良い」「便利な」商品として和傘は大いに普及しました。
 しかし、戦後の高度経済成長と生活様式の劇的な変化は和傘業界にも深刻な影響を与え、過去数十年の間に洋傘が爆発的に普及する中で、最盛期は年間1700万本も生産されていた和傘は激減し、いつしか普段使いの「番傘」から、番傘という名の「伝統工芸品」として扱われるようになり、現在では全国でも僅かに十数軒程が細々と続けているにだけとなってしまいました。


和傘の今

 戦後の変化が余りに急激であった事もあり、和傘業界は壊滅状態に陥りました。
 和傘に限らず、伝統産業全体が斜陽産業の代名詞のようになってしまっております。
 元々は日常的な「普段使い」の商品として誰もが使っていた物が、「伝統工芸品」としてだけの市場では、存続は困難であるのは明らかです。
 しかし、綿々と続いて来た職人の歴史を見ると、常に新しい事にチャレンジし、その時代のお客様が求める魅力的な商品を作ろうと努力し続けてきたのではないでしょうか?
 伝統工芸と、ある意味祭り上げられる事で、変化する事を忘れてしまってはいないだろうか?
 昔から続く伝統的なお祭りや神事、行事、風俗に必要な伝統工芸品も、もちろん必要です。
 しかし、元々ほとんどが一般人の日常使いだった和傘は、着物を中心とした生活様式が大きく転換し、近代文明の中で高度に発達した現代のライフスタイルに合致しているのでしょうか?
 いろいろと考え抜いた結果、答えは残念ながらNoでした。


伝統は革新の連続

 しかし悲観しても仕方がありません。
 「伝統は素晴らしいから日本国民は全て和傘を使いなさい」と押し付けるのも間違っています。
 お客様が本当に欲しいと思う商品、魅力的な商品を作る事が出来れば、自ずと道は開けるのではないだろうか。
 代々の和傘職人が努力してきたように、常に「お洒落な」「格好良い」「便利な」和傘を作り出せば良いのではないだろうか?

 そもそも天蓋状の魔除けや神祭具であった物が、時代に合わせて開閉可能でコンパクトに持ち運べる雨傘や日傘、美しさを兼ねたお洒落小物として変化を繰り返して発展してきたのであれば、今の時代に合うように、用途も形状も変化して良いのではないだろうか?
 もっと言えば、「革新」こそが「伝統」の真髄なのではないだろうか。


 − 伝統は革新の連続 −
 日々和傘製作を続ける中で自問するうちに、このような考えに至り、霧が晴れるようでした。
 「伝統は革新の連続」・・・考えてみれば当たり前の事で、1000年前から全く姿を変えずに存続している物の方が希少であり、ほとんどの商品や文化、食品から生活習慣に至るまで、その発生時から今日まで常に変化し続けてきた物事の方が一般的なのです。

 では、今の時代に適した京和傘のカタチとは、どのような物なのか?
 和傘職人にしか出来ない、伝統と歴史の中で培ってきた価値を今に活かせるカタチは何なのか?
 定番の一品として多くのお客様に親しまれる、京和傘の日吉屋にしか出来ない新しい和傘のカタチ・・・

Tradition is Continuing Innovation 〜伝統は革新の連続〜 HIYOSHIYA Contemporaryは既成概念に囚われることなく、今の時代のバンガサ(=普段使いのWAGASA)づくりを目指します。

新商品開発ストーリー

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